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蒲田行進曲のオリジナルSPレコードです

昭和4年(1929年)8月新譜

日本コロムビア 25640(Side-A)Matrix No. 32118

作曲:Charles Rudolf Friml(1879年12月7日 - 1972年11月12日)

作詞:堀内敬三(1897年(明治30年)12月6日 - 1983年(昭和58年)10月12日)

歌唱:川崎豊(1894年(明治27年)10月21日 - 1990年(平成2年)10月8日。陸軍戸山学校軍楽隊出身)

   曽我直子(1905年(明治38年) - 1995年(平成7年)7月24日。東洋音楽学校(現:東京音楽大学)声楽科出身)

伴奏:松竹ジャズバンド

 

蒲田行進曲は、チェコ生まれでプラハ音楽院でドヴォルザークに作曲を学んだルドルフ・フリムルが、オペレッタ(というよりミュージカルに近い)「the King of Vagabond(放浪者の王者)」のアリアとして「the Song of Vagabonds(放浪者の歌)」という題名で書かれた曲が原曲。「the King of Vagabond」は、フランス革命をテーマにしたものだったが、この曲に、堀内敬三が、松竹蒲田撮影所開所10周年記念作品「親父とその子」(監督:五所平之助。1929年(昭和4年)9月公開)の主題歌として歌詞をつけた。レコードは映画の公開に合わせて発売された。

 

この当時、まだ流行歌手という職業は定着しておらず、楽譜が読める、すなわち、楽譜さえあれば、すぐに歌え、放送や録音できるという理由で、浅草オペラ出身者や軍楽隊出身者、音楽学校出身者が多くラジオ放送やレコード録音に起用された。これもそんな一枚である。(久保田雅人)